夏の9冊目
西村翠『ゲームクリエータになるには』(ペリカン社 2000)を読む。
高校生によく読まれる同シリーズであるが、様々な職業を紹介するだけでなく、年収や将来性、また夢の実現に向けた進学先の情報まで分かりやすく教えてくれる良書である。
この本では、特にアーケードゲームや初期パソコンのピコピコゲームから、ファミコンを経てプレステ2の映画と見紛うような一大世界に至るまで、ゲームの発展に伴って業界も大きく様変わりした点に紙幅を費やしていた。昔は一人のクリエータがしこしこ画面に向かって作っていたが、現在では、分業や外注などチームワークで作り上げていく体制に変わり、コミュニケーション能力やプレゼンテーション能力が重んじられるようになった。また安定した雇用環境という確固たる地位を得た業界ではないので、5年後10年後に向けて常に勉強し、自己研鑽を深め、体力や生活習慣を疎かにせず、様々な制約があろうと自分の夢や目標を忘れないことの大切さを説く。クリエイティブで職人気質的な孤独な業種であろうと、社会人としての常識と熱意が問われるのである。
『ゲームクリエータになるには』
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