月別アーカイブ: 2004年8月

『情報編集の技術』

矢野直明『情報編集の技術』(岩波アクティブ文庫 2002)を読む。
『ASAHIパソコン』の初代編集長として、編集体制や技術そのものが大きく変動する中での求められる編集者としての資質を問う。作者は編集工学研究所の松岡正剛氏の「情報をくみたて、それを構成したり再編成したり、また、そこにゲームやルールをつくっていくこと、それらはすべて編集です。ですから、歴史も編集だし、政治も編集、経済も編集なのです」「編集は人間の活動にひそむ最も基本的な情報技術である」という意見を引用しながら、パソコンやソフトの発達で、万人が編集者になれる時代において「より先鋭化し、差別化したかたち」の「職業としての編集者」のありようを模索する。

『日本文学の古典50選』

久保田淳『日本文学の古典50選』(岩波ジュニア新書 1984)を読む。
古事記から東海道四谷怪談まで上代から近世までの代表的な文学作品の紹介、解説となっている。枕草子や方丈記もさることながら、後白河法皇編纂による『梁塵秘抄』の解説が興味深かった。残念ながら『梁塵〜』は現在ほとんど残っていないが、彼の極めんとした7・5調の繰り返しによる「今様(いまよう)」に興味を覚えた。