原野翹『警察はなぜあるのか:行政機関と私たち』(岩波ジュニア新書 1989)を読む。
警察という一行政機関の実態を具体的に挙げながら公共機関の意義(行政の公共分析)に迫ろうとする良書である。是非高校生に手にとってもらいたい本だ。1986年の緒方靖夫共産党国際部長盗聴事件の例など、その時々の政権に奉仕する警察の実情に懐疑的な視点を向けながらも、福祉も家庭問題も何もかも丸なげで警察にまかせてしまう市民の意識にも問題を投げかける。読みやすくかつ私たち国民の主権のあり方に結論をもってくる展開は好感が持てる。
『警察はなぜあるのか:行政機関と私たち』
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