日別アーカイブ: 2003年6月9日

『読書通』

ハイブロー武蔵『読書通』(総合法令 1999)を読む。
読書が単に知識を得るためのものではなく、人間関係の機微を読み取る想像力が養われ、生活の一部となることで生活にリズムを与え、引いては人生を豊かなものにするという主旨をやたらにゴリ押しする内容である。その主張自体は分かりやすいものなので異論はなかったが、大東亜戦争での日本軍賛美や選民思想的な発言が随所にあり大変読後感の悪い作品であった。著者自身が敬愛する作家として渡辺昇一や小室直樹、司馬遼太郎等が挙げられている点で内容は想像つくであろう。