日別アーカイブ: 2003年6月4日

『M&A革命』

浅井隆『M&A革命:企業の命運を制する情報戦争』(第二海援隊 1999)を読む。
M&A(mergers and acquisitions)とは、日本語に訳せば合併と買収のことである。特にアメリカの熾烈なM&Aの実態ー病院やマスコミもその対象となるーを引き合いに出しながらも、ボーダーレス化が進めば進むほど、逆に個々の企業文化のオリジナリティが問われると筆者は述べる。株式交換、営業譲渡などの実務的な話しは要を掴めなかったが、会社が人生の拠り所と考える向きの多い日本でも、M&Aは増えこそすれ減ることはないことを実感した。しかし日本企業の「経営体質改善」の前提として、アメリカやヨーロッパの企業は「狩猟民族的気質」であり、日本企業は「農耕民族的気質」であるとした論はいささか古すぎる感が否めなかった。