昨日TBSラジオのアクセスという討論番組の中で、宮崎哲哉と宮台真二の二人が日本の左翼陣営の中の「マルクス神話」について触れていた。三島由紀夫が全共闘の討論集会に呼ばれて、「君たちが天皇制さえ認めてくれれば反米という点で連帯できるのだが」という有名なくだりを踏まえて、反米の基軸に天皇制を据えるのか、マルクス主義を据えるのかという「微妙」な差異が戦後の日本の価値観を形成していった。そして更に親米愛国という摩訶不思議なスローガンを掲げた自由民主党が政権に居座ったために、憲法論議も自衛隊の是非もいい加減になってしまったという内容であった。一部しか聴いていないので、どういう文脈で話されたのか不明であるが、新左翼と新右翼の関係という「奇妙」な問題について少し考えさせられた。私自身政治的には三島を評価しないが、文学的に三島を分析していくことで見えてくるものがあると感じた。三島と全共闘という30年以上前の古い問題について今年ゆっくりと考えてみたい。
「マルクス神話」
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