月別アーカイブ: 2002年6月

『GO』

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行定勲監督、窪塚洋介・柴咲コウ主演『GO』(東映 2001)をレンタルで観た。
原作を読んでいないので、確かなことは言えないが、テーマが浅いと感じた。窪塚洋介演じる在日の3世、4世の世代の若者が、北と南の政治摩擦に翻弄される中、自分は自分というアイデンティティを獲得していくという青春映画である。在日問題を軽視するわけではないが、1世、2世ならともかく4世の世代が日韓の狭間で「俺は俺!」と叫んだところで、単なる青年の主張になってしまう。もうすこし政治的な主張を加えるならば更なる掘り下げが必要であるし、青春映画にしたいならばもっとはちゃめちゃなエネルギーを主人公に与えなければならない。その意味でテーマを追いすぎて、中途半端な映画になってしまったのは残念だ。

『ウォーターボーイズ』

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先日、矢口史靖監督『ウォーターボーイズ』を観た。
金のかかっていない映画であった。今どきの男子高校生が、すったもんだの揚げ句、最後に努力が実を結んで、ハッピーエンドという先が見えるつまらない展開なのだが面白かった。受験を控えた男子高校生という設定が、今どきの作品にはない新鮮さとさわやかさを観客に与えたのだろう。

『警察崩壊!』

久保博司『警察崩壊!』(宝島社文庫)を読む。
警察組織の内部崩壊の一番の原因として、キャリア制度を取り上げている。特に警察庁のお飾りに過ぎない国家公安委員会の実態についてのルポは分かりやすかった。しかし冤罪事件を防ぐ方法として、「日ごろから、自分の行動を記録しておくことである。そういうメモがあれば、たとえ事件が起きた時間帯に一人でいたとして、その主張の助けにはなる。たとえば、『午後九時よりTV』とあれば、テレビを観ていたことを想いだせるし、捜査員にもメモを示せる」としたのはギャグ狙いか?