五木寛之『蒼ざめた馬を見よ』(文春文庫)を十年ぶりに読み返す。
冷戦時代の60年代の作品でありいささか時代状況が古いが、正直面白かった。高校の時分にどのような感想をもっていたのか忘れてしまったが、全共闘運動華やかりし頃、バリケードの中で学生に支持された作家として五木寛之と高橋和己の名前が取り上げられるが、デビュー当時の五木氏の作品には確かにその息吹きを感じる。しかし現在の五木氏の作品から往時の迫力が消えてしまった点については様々な時代の分析待たれるであろう。
『蒼ざめた馬を見よ』
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