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『THE有頂天ホテル』

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今日は埼玉でも朝から雪が降り、都心では5年ぶりの積雪を記録したという。今冬は日本海側の豪雪のニュース映像を見慣れたせいか、東京の降雪の映像を見ても危機感はまるで感じない。
夜になって雪が止んだので、さいたま新都心へ三谷幸喜監督『THE有頂天ホテル』(2005 東宝)を観に行った。
大晦日の大ホテルを舞台にした作品で、年越しのカウントダウンに向けて、豪華キャストによるドタバタ劇が展開される。長回しのパン映像が多く、観客も同じホテルの宿泊客になって年末の慌ただしさに振り回される感覚に捉われる。出演者それぞれが一年間自分の思い通りに生きられなかったストレスを抱えホテルにやってきたのだが、ラストのホテルの年越しパーティを契機に全員が笑顔を取り戻していくさまは観ていて爽快感が伴う。あれだけの出演者がいながら、皆が皆主役になってしまう演出・構成方法はさすがである。

『輪廻』

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清水崇監督・優香主演『輪廻』(2005 東宝)を熊谷へ観に行った。
ティアラ21という駅ビルの中にあるきれいなシネコンで観た。前作の救いのない恐怖を強烈な不協和音で彩る『呪怨』よりもストーリーは洗練されていて、完成度の高いホーラー映画であった。効果音と不気味な映像で「ハッ」と息を飲む驚きの連続だった前作に比べ、今回は「ぞー」と身の毛もよだつような恐怖がやってくる。
恐怖に駆られて我を失う主演を務める優香の演技が良かった。前世の殺人鬼に心身ともに追いつめられていく恐怖を見事に表現していた。優香は映画女優として経歴が長いものだと思っていたが、この作品が初の主演映画だそうだ。はたして、私の思い違いだったのか、それとも前世からの記憶のためか。。。

『ロード・オブ・ウォー』

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埼玉新都心へニコラス・ケイジ主演『ロード・オブ・ウォー』(2005 米)を観に行った。
「戦場にも電卓は忘れない、史上最強の武器商人と呼ばれた男」のキャチコピーが示すような派手なアクション映画かと思ったが、豈図らんや、アメリカを始めとする安保理事国の武器輸出を痛烈に批判する反戦映画であった。紛争の当事国双方に武器を売りつけ、紛争の激化を煽り犠牲者を増やし続ける残忍な武器商人の苦悩する姿が描かれながら、映画のラストで、実はアメリカ国家の委託を受けた商売だということが明かされる。国際的に展開される莫大で実態の掴みにくい兵器産業を、一人の武器商人に仮託することで、その非道さが分かりやすく描出される。戦争ビジネスの裏側が知りたい人にはうってつけの映画である。ニコラス・ケイジの演技も今までの映画の中で一番光っている。

□  映画『ロード・オブ・ウォー』公式サイト □

"Mr.&Mrs.Smith"

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川口に新しくできた映画館へ、ブラッド・ピット、アンジェリーナ・ジョリー主演の『Mr.&Mrs.Smith』(2005 米)を観に行った。
かっこいい俳優と、きれいない女優の共演によるアクション・ラブロマンスであり、久々にハリウッド映画らしい映画であった。弾丸が乱れ飛ぶ銃撃戦や、周囲もろとも吹っ飛ぶ大爆発にも関わらず、ぎりぎりの所で九死に一生を得る主人公の活躍に、ついつい素直にエールを送ってしまう。

主演のブラッド・ピットがカッコいいと思って観ていたが、後でネットで調べたら41歳のオジサンであった。私も数年後あのようなシュッとした中年になってみたいものだ。。。

まずは腰回りの贅肉から減らさなくては(^_^;)

『IN HER SHOES』

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キャメロン・ディアス主演『IN HER SHOES』(2005 米)をさいたま新都心へ観に行った。
キャメロン・ディアスの笑顔と演技が光る映画であった。交通事故によって早くに母親を亡くした姉妹とその父親、祖母たちが、お互いのあるべき家族像を巡って対立する。タイトルからして女性向けのおしゃれな映画かと思ったが、いかにも現代アメリカらしいテーマで、自立した個人によって構成される家族愛が模索される。

日本で姉妹の物語というと、「姉—妹」という上下関係を前提とした依存関係がテーマになりやすい。しかし、アメリカでは姉も妹も同じ”sister”という語で括られ、上下関係ではなく、幼なじみの親友に近い関係で成り立っている。そのような微妙なsisters関係を日本人の男性が理解するのは難しいと感じた。