埼玉新都心へニコラス・ケイジ主演『ロード・オブ・ウォー』(2005 米)を観に行った。
「戦場にも電卓は忘れない、史上最強の武器商人と呼ばれた男」のキャチコピーが示すような派手なアクション映画かと思ったが、豈図らんや、アメリカを始めとする安保理事国の武器輸出を痛烈に批判する反戦映画であった。紛争の当事国双方に武器を売りつけ、紛争の激化を煽り犠牲者を増やし続ける残忍な武器商人の苦悩する姿が描かれながら、映画のラストで、実はアメリカ国家の委託を受けた商売だということが明かされる。国際的に展開される莫大で実態の掴みにくい兵器産業を、一人の武器商人に仮託することで、その非道さが分かりやすく描出される。戦争ビジネスの裏側が知りたい人にはうってつけの映画である。ニコラス・ケイジの演技も今までの映画の中で一番光っている。
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