映画」カテゴリーアーカイブ

『潜水服は蝶の夢を見る』

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マチュー・アマルニック主演『潜水服は蝶の夢を見る』(2007 仏=米)を観に行った。
ロックトインシンドローム(閉じ込め症候群)という、意識は元のままなのに左目のまばたき以外の随意運動の一切が奪われてしまう難病に突然罹ってしまう、ファッション誌ELLEの元編集長ジャン=ドーの入院生活を追った実話である。
主人公のジャン=ドミニク・ボビーは左目のまばたきだけで援助者とコミュニケーションを取り、自らの苦悩を描いた自伝「潜水服は蝶の夢を見る」を執筆する。本の中で、彼は自身を自らの肉体に閉じ込められた潜水服になぞらえ、かつては、そしていつかは蝶のように自由に恋愛を楽しみ歩き回った過去の記憶や空想の中を遊び回る。しかし、本が出版されてから10日後に、彼はこの世での仕事を終えてしまう。
日本だとこの手の作品は苦境にめげず頑張る障ガイ者を描いたヒューマンドラマに終始してしまうであろう。「障ガイ」をモチーフとしつつも、一流の恋愛ドラマに仕上がっているところが恋愛王国フランスの躍如であろう。

□ 映画『潜水服は蝶の夢を見る』オフィシャルサイト □

『22才の別れ』

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幸手市内にある4号沿いのシネコンで大林宣彦監督・筧利夫主演『22才の別れ』(2006 角川)を観た。
かぐや姫の伊勢正三の名曲「22才の別れ」をテーマに、大林宣彦監督がオリジナルで脚本を練り上げた作品である。
団塊の世代に美味しいところを奪われ、新人類である団塊ジュニアが下から迫ってくる1960年生まれの中途半端な世代の悲哀を、40代半ばの主人公を筧利夫がうまく演じている。

久しぶりに映画館で泣いてしまった。
昔、といっても15年くらい前だが、池袋東口の風俗街のど真ん中にあった文芸座という映画館で観た、同じ大林宣彦作品である『はるかノスタルジイ』と非常によく似た話であった。『22才の〜』を観ながら、ちょうど映画の展開と同じように『はるか〜』を観た頃の19歳、20歳の自分を思い出していた。

『陰日向に咲く』

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本日もまた、子どもをお風呂に入れて、妻に寝かしつけを頼んで、ララガーデンへいそいそと出掛けた。
劇団一人原作・岡田准一主演『陰日向に咲く』(東宝 2008)を観た。
場面転換が多くて説明的なセリフが不足しているので、途中で話が繋がらなくなってしまったが、V6の岡田准一さんや西田敏行さんらの演技でうまくフォローされており、最後まで飽きることがなかった。
映画を観ながら、人間は未来へと向かって生きているのか、それとも過去へ過去へと向かって生きているのかと、自問自答を繰り返した。経済的社会的に陰の生活を送る劇中人物の姿を見ながら、人間は必ずしも未来の目標や夢に向かって生きるものではない。むしろ過去に犯した失敗や約束、また過去に置き去りにされてきた夢に向かって生きているのでないかと。
陰の世界に生きる大多数の一般庶民は一体何に向かって日々の生活を繰り返すのであろうか。本作のテーマとは外れてしまうが、暗い映画館の観客席に腰掛けながら、大した才能も資産もない自分自身の来し方行く末がふと脳裏をよぎった。

『デスノート』

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2週にわたってテレビで放映された映画『デスノート』(2006)を録画して観た。
先の展開が全く読めないまま、テンポ良く話が進んでいくため一気に観てしまった。国家にだけ許された、正義や秩序、安寧という名の下に人間を殺してしまう究極の権力を個人が持ってしまったらという話である。ある日悪魔から名前を書き込んだ人物は絶対に死ぬという「デスノート」を手に入れた青年が、犯罪のないピュアな社会を取り戻そうと、凶悪犯罪に手を染める人たちを次々に殺していく。悪事を働いた人間を第三者の人間が殺していいのかという哲学的なテーマがかいま見得る。また、善悪の青年ならではの正義感と警察不信、社会犯罪の増加に対する国民の不安など、極めて今日的な日本社会の問題をあぶり出す。

□ 映画『デスノート』公式サイト □

『ウォーター・ホース』

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子どもをお風呂に入れて、ふと時計を見ると10時ちょい前、まだ映画をやっている時間だったので、いそいそとララガーデンへ出掛けた。
ジェイ・ラッセル監督『ウォーター・ホース』(2007 米)を観た。
小学校1年生の時に映画館で見て感動して大泣きした『ドラえもんのび太の恐竜』(東宝 1980)と非常に似通った話であった。

□ 映画『ウォーターホース』オフィシャルサイト □