ハードディスクに録画してあった、ジョン・カーペンター監督『スターマン/愛・はるかに』(2008 米)を観た。
確か高校生か大学生くらいの時にテレビで観て、面白かったという印象が残っている作品である。竹取物語のような内容で、宇宙からやってきた地球研究の異星人が人間の体を借りて
宇宙から迎えの者がやってくると、警備の者たちが戦闘意欲を無くして呆然としてしまう様子など、『竹取物語』そっくりであった。

ハードディスクに録画してあった、ロバート・カーライル主演『フル・モンティ』(1997 英)を観た。
鉄工所を解雇された労働者のおじさんたちが仲間を集い、金を集め、ゴタゴタを繰り返しながら、ストリップショーを開催するまでの過程を描く音楽に乗せたドタバタ劇のコメディである。
寄せ集めのでこぼこ集団がクライマックスのステージに向かって結束を深めていくありがちな展開なのだが、イギリス社会に横たわる失業問題や黒人差別、離婚問題にも触れられており、最後まで飽きることがなかった。

ハードディスクに録画してあった、チャーリー・シーン主演『ターミナル・ベロシティ』(1994 米)を観た。
合成の継ぎ目がはっきり見えてしまう昔ながらの絵柄や、手元に銃があるにも関わらず泥臭く殴り合ったり、ヒロイン同士がキスをしたりするお決まりの場面。また、KGBのスパイが米国内で金塊を運ぶといった設定など、20年前のアクション大作娯楽映画の王道の更にど真ん中を行く内容である。
時速500キロのジェットカーに乗ったり、空を飛んでいる飛行機に飛び移ったり、インディージョーンズばりのアクションシーンを彷彿させる場面もあり、初めて見る作品なのに「懐かしさ」を感じる作品であった。

ハードディスクに録画してあった、織田裕二・天海祐希主演『アマルフィ:女神の報酬』(2009 東宝)を観た。
ドラマの展開の粗が目立ち、主演の織田裕二さんの勇姿と、美しいイタリアの町並みとサラ・ブライトマンの歌しか印象に残らなかった。
原作は同じ織田裕二さん主演の映画『ホワイトアウト』の真保裕一氏である。『ホワイトアウト』も今回の『アマルフィ』も、活字から浮かび上がる物語世界のスケールが壮大なだけに、実際の映像に頼らざるを得ない映画の表現世界の限界が見えてしまう。
こういった作品は小説で味わうべきであり、映画化すること自体に無理があった気がする。

妻子が寝静まってから、リビングで一人、「ドンタコス」一袋と「KIRIN 淡麗グリーンラベル」片手に、渥美清主演、山田洋次監督『男はつらいよ:純情篇』(松竹 1971)を観る。
『男はつらいよ』シリーズの定石通り、放浪暮らしから柴又に帰ってきて、ほろ苦い失恋からまたテキ屋生活に戻っていく。
子どもの頃、中年オヤジの恋物語だと見向きもしなかった。しかし、今観ると、主役渥美清さんも妹さくら役の倍賞千恵子さんも若い!! いつの間にか私自身が車寅次郎の年齢になってしまっている現実に気づかされた。いざ40代間近になってみると、車寅次郎の親もいない独り身で全国各地を放浪している肩身の狭さがひしひしと実感として伝わってくる。
また、マドンナ役の若尾文子さんが若かった。黒川紀章の夫として国政にチャレンジしていた姿が未だに強いが、