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『阪急電車 片道15分の奇跡』

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『悪の教典』を忘れるような映画を観ようと、地上波で放映された、三宅喜重監督『阪急電車 片道15分の奇跡』(東宝 2011)を観る。一見、阪急電車のプロモーションビデオのような内容であった。
絶望とまでは行かないが、他人には話せないような不幸感や孤独感を抱え込んで生きている人たちが阪急電車の車内で出会い、心の内を共有し、それぞれの道を行く心温まるエピソードが絡み合っていく。見知らぬ人でもちょっと声を掛けてみる勇気と思いやり、何か「ACジャパン」制作のドラマといった雰囲気の作品であった。
女優さんもほとんどが兵庫ないし関西圏出身のためか、演技も「上手い」というよりも、それ以上に自然な演技で良かった。女子高生役を演じた有村架純さんの魅力的な表情が印象的であった。

[youtube]http://www.youtube.com/watch?v=l4e8BKOkYgo[/youtube]

『悪の教典』

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夕方に3時間ほど時間が空いたので、その空いた時間枠にたまたまララガーデンで上映していた、三池崇史監督、伊藤英明主演『悪の教典』(東宝 2012)を観た。
正直、あまりにショッキングな映像と音の連続で「観なきゃ良かった」と思った。普段は温厚な人物でありながらゲーム感覚で殺人を楽しむ快楽殺人者という筋立ては、アメリカのB級サスペンス映画ではよくあるパターンである。実際、猟奇的な犯人の残虐な性向や銃殺の場面をアメリカ人が演じるのであれば、あまり不自然なく眺めることができたと思う。しかし、海の向こうの風景を背景にしたものではなく、日本の高校生の日常生活と見慣れた教室や職員室を舞台にし、担任が生徒40人を次々に銃殺刺殺していくというのは、親近感を逆手に取った不快感しか生まれない。

スクリーンを観ながら、こんな嘔吐感を催すようなスプラッター映画が、R15指定の表示だけで日本のシネコンで公開されるということに驚きを禁じ得なかった。この映画を登場人物の設定と同じ年齢の高校生に見せてよいのであろうか。いや、殺戮を描きながら逆説的に生きることの尊さを醸し出す「芸術」作品が、大手から配給されるという日本の映画業界の懐の深さを賞嘆すべきなのか。

[youtube]http://www.youtube.com/watch?v=10ssNsCJX2w[/youtube]

『007 スカイフォール』

子ども3人をお風呂に入れ、妻の「赦し」をもらい、夜9時過ぎにララガーデンへ出かけた。ダニエル・クレイグ主演『007 スカイフォール:Skyfall』(2012 英・米)を観た。久しぶりの映画館であった。映画館は、私にとって仕事の些事や家庭の忙殺から逃れ、自分を取り戻す場である。映画を観ながら来年の自分の目標ややる気を確認していた。

先日の「ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル」の「シネマハスラー」で1位だったので、期待してスクリーンの一番後ろの真ん中の席についた。ハリウッドA級映画の王道のような作品で、CGは多用せず、主役のにじみ出るようなかっこよさと音楽、アクションとラブロマンスの絶妙なバランスを保った作品であった。
それにしてもネクタイをきちんとしめた格闘シーンもかっこいいなと思う。主役に憧れるというのも、やはりスクリーン鑑賞がならしめる感動である。

[youtube]http://www.youtube.com/watch?v=IIKpljEpPSA[/youtube]

『ザ・コア』

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地上波で放映された、ジョン・アミエル監督『ザ・コア:The Core』(2003 米)を観た。
地球の中心の核(コア)が動きを止めてしまったので、地球が壊滅状態に陥ってしまう。そこで秘密裏に開発されていたレーザービームで岩石を破壊しながら進んでいく船に乗って地下3200キロまで深く進み核爆弾をぶっ放すという子ども向けの設定となっている。地下深く進んでも気圧も気温も変わらなかったり、船の中ではタバコを吸ったり、なぜか地上と交信ができたり、突っ込みどころ満載のB級映画であった。

「これはB級映画だ」「シネマハスラーだったらどんなに酷評されているだろう」と思いながら2時間半近く観てしまった。

『デジモンアドベンチャー:ぼくらのウォーゲーム!』

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地上波で放映された、細田守監督『デジモンアドベンチャー:ぼくらのウォーゲーム!』(2000 東映)を観た。
細田監督作品というだけで、「デジモン」について何の知識もなく観た。ポケモンの進化版か何かと思っていたが、どうも違ったらしい。同じ細田監督作品の『サマーウォーズ』と内容はかぶっており、新たな感動はなかったが、この作品が当時放映されたときは斬新な評価を得たのであろう。