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『トラ・トラ・トラ!』

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地上波で放映された、リチャード・フライシャー・舛田利雄・深作欣二監督『トラ・トラ・トラ!』(1970 米・日)を観た。
1970年制作が全く信じられないほど、鮮明な映像にまずは驚きであった。ドキュメンタリータッチの映画で、真珠湾攻撃に至るまでの日米の動きがリアルタイムで進行していく。日本海軍の作戦遂行と平行して、日米開戦の最後通牒が遅れた背景や、米国側の情報の錯綜が丁寧に描かれる。
ギリギリまで戦争を回避しようとした山本五十六連合艦隊司令長官や、戦争を避けよと和歌で伝えたという昭和天皇がいささか好意的に表現されているのは気になったが、役者たちの真剣な演技に、ついつい本物の史実と思いながら鑑賞した。
当時の日米交渉の米国側の代表であったハル国務長官が後にノーベル平和賞を受賞し、当時の日本の総理大臣であった近衛文麿がA級戦犯に処せられた現実に照らしてみると、、、、、、、、、、、、、、

ストロングゼロというチューハイの酔いが回ってきた。この辺で。

『私は貝になりたい』

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1年ほど前に地上波で放映された、中居正広・仲間由紀恵主演『私は貝になりたい』(2008 東宝)を観た。
天皇の勅命に従って米兵の捕虜の銃殺刑に参加した2等兵が、戦後巣鴨プリズンで絞首刑になるという悲劇を描いた作品である。
肝心の天皇が責任を取らず、一般の市民が責任を取らされる不条理がテーマである。しかし、同じSMAPの草薙剛さんや笑福亭鶴瓶さんなどテレビの印象が強い役者が出てきたり、戦争とは違う夫婦愛が描かれたりして、肝心の戦争の無責任な怖さがボケてしまっている。
ブラウン管で顔なじみの芸能人が出ており、若者が戦争に触れるという点では及第点の作品だと思う。しかし、オリジナルの影響が強かったのか、映画自体のバランスも悪く、天皇の戦争責任については微妙に誤摩化されている点では落第点であろう。

『キリング・ミー・ソフトリー』

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チェン・カイコー監督、ヘザー・グラハム主演『キリング・ミー・ソフトリー』(2001 米)を観た。
前半は、激しいセックスにのめり込んでいく女性と、姉とのセックスに始まる倒錯した性愛にハマっている男性との恋愛が描かれる。もう少し濡れ場シーンが多ければ、そのまま日活ロマンポルノといっていいような展開であった。しかし、後半はありきたりなサスペンス映画に仕上がってしまい、興味が削がれてしまった。

『飛べ!フェニックス』

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地上波で放映された、ロバート・アルドリッチ監督、ジェームズ・スチュワート主演『飛べ!フェニックス』(1965 米)を観た。
砂漠のど真ん中で墜落した飛行機に乗っていた男たちの決死の脱出劇である。本編145分の映画を2時間枠で放映しているので、50分以上はカットされている計算だ。そのためか、砂漠に取り残される恐怖や仲間内の信頼が崩れていく過程などが省略されて、淡々と話だけが展開していった。スクリーンでノーカットであれば楽しめる作品であっただろう。