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『マンガで読む マックスウェルの悪魔』

月路よなぎ・漫画『マンガで読む マックスウェルの悪魔』(ブルーバックス 2011)を読む。
マックスウェルが提唱した、熱力学第二法則のエントロピーの増大を自在に操る悪魔が主人公の物語である。

漫画のお話の方は苦手だったが、あらゆる物事は単純から複雑へ、エントロピーが増大していく一方向にしか進まないという説明は面白かった。かつては王様一人で政治を動かしていた時代から、エントロピーが増大するにつれ、国民全員が政治に参加するようになっていく。また、一部の人間にしか知らされなかった情報も全て公のものになっていく。そして膨大な情報量にさらされ、やがては正常な判断ができなくなり、思考停止の状態に陥っていく。社会のエントロピーが増大すればするほど、社会不安が高まっていくという指摘は興味深かった。

また、太陽や星などの単純な分子の結合体も、いずれは宇宙空間の形あるあらゆるものが崩れ、姿を消し、宇宙全体の温度と物質の密度は平均化され、いずれ氷点下260数度の行き着くところまで進んでしまう。そうなると比べる物が何もなくなってしまうので、距離も動いていく時間という概念も通じない世界となっていく。SFのような話でこちらも面白かった。

『ロシアについて』

司馬遼太郎『ロシアについて:北方の原形』(文藝春秋 1986)をパラパラと読む。
主にシベリアを巡るロシアの歴史が説明されている。元々ウラル山脈の東部は、モンゴル系シビル汗国が治めていた土地である。それがピョートル大帝以降、開発されて鎖国時代の日本にまで到達した地域である。バイカル湖の脇のイルクーツクは、シベリア湿地よりも標高が高いため、モンゴル時代から栄えていたという。

『DJがわかる・できる本』

M.KATAE『DJがわかる・できる本』(自由現代社 2005)をパラパラと読む。
DJの入門書となっている。ターンテーブルやミキサーの紹介に始まり、ピッチに合わせた曲の繋ぎ方やスクラッチのやり方などが図や写真入りで分かりやすく説明されている。また、養成学校もないDJを目指すやり方などにも触れられている。

『WORLD JOURNEY』

高橋歩編著『WORLD JOURNEY』(サンクチュアリ・パブリッシング 2005)をパラパラと読む。
著者夫妻の世界一周旅行の思い出に加え、他十数人の世界一周旅行経験者のアドバイスやおすすめが紹介されている。スマホが普及する前のハウツー本であり、現在の円安時代と金銭感覚も異なっており、字を目で追っているだけになってしまった。

『竹中先生、経済ってなんですか?』

竹中平蔵『竹中先生、経済ってなんですか?』(DMD JAPAN 2008)を読む。
小泉内閣で総務大臣を務め、郵政民営化に協力した竹中氏の名前が冠された本である。漫画や会話文で為替や金融政策、景気、株式会社について、分かりやすく説明されている。経済の素人には理解しにくい「資本」について、「パンを生産する工場の機械」や「家事労働の際の洗濯機や掃除機」など、仕事の生産性を高め、経済を豊かにするという説明は理解できた。

どこまで著者本人が関わったのか分からないが、「インフレ」や「株」など、個々の用語の説明は分かったが、経済という全体像は理解できなかった。