ウィリアム・ジャスパソン文、チャック・エッカート絵、河合雅雄訳『森はだれがつくったのだろう?』(童話屋 1992)を読む。
森がどのように作られていくか、絵入りで説明する小学生向けの本である。最初のパイオニアツリーが生まれ、やがて別の種に置き換わり、日陰を好む中位の種も生まれ、落ち葉が腐食して柔らかい土が形成され、昆虫や動物が棲みつく極相林に落ち着いていく。ただ木を植えればよいというものではなく、競争や朽木、腐食などの段階を経て、200年かけて森が作られていく過程がよく理解できた。
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『水 地球の彫刻家』
S・グリゴルエフ、M・エムチェフ『水 地球の彫刻家』(共立出版 1979)をパラパラと読む。
著者は旧ソ連の地質学者である。地殻とマントルの間に「排水殼」と呼ばれる2、300度の熱水帯があり、火山や地震、プレートの動きもと全て説明できるとしている。モホロビチッチ不連続面の上部に垂直方向に環流する熱水の動きが地球科学の肝だと述べる。アセノスフェアとの違いがよく分からなかった。
『大学活用法』
岩波書店編集部『大学活用法』(岩波ジュニア新書 2000)をパラパラと読む。
1度読んだことのある本だったが、内容は全て忘れていた。大学教授から漫画家、カメラマンなど多彩な人が大学で学ぶことを説く。といっても、大学での学問の説明ではなく、大学に捉われない二十歳前後の時間の使い方を指南する人が多かったのが印象に残った。
『原発社会からの離脱』
宮台真司・飯田哲也『原発社会からの離脱:自然エネルギーと共同体自治に向けて』(講談社現代新書 2011)をパラパラと読む。
原発や戦争など、一度動き出したら内の人の都合で暴走してしまう日本社会の病理に切り込んでいく。飯田さんは京都大工学部原子核工学科出身で、いわゆる「原子力村」の中心にいた人物である。原子力村というと経済産業省と電力会社が一体となって原発をゴリ押ししてきたというイメージがあるが、政治家にも霞ヶ関にも電力会社にも経済的な観点から原発反対の勢力がいたとの報告があった。しかし、そうした声を遠ざけて採算の目論みのない原発に傾倒していった日本人の頭の悪さを指摘する。