『ブッダの幸福論』

アルポムッレ・スマナサーラ『ブッダの幸福論』(ちくまプリマー新書 2008)を読む。
1945年生まれの著者はスリランカ出身の僧侶で、1980年に国費で来日し、駒澤大学大学院仏教学専攻博士後期課程を卒業している。上座仏教普及の旗振り役で、数多くの本を執筆している。大乗仏教は仏を信仰するが、上座仏教は神も信仰もなく、他の宗教と異なると説く。そして、仏教は釈迦の「教え」であって「宗教」では無く、論理的で実践的な「心の科学」であるとし、今この場で役に立ち、自ら実践し理解する智慧の教えであると説明している。

本作でも、平易な語り口で、ゴータマ・ブッダの教えを日常生活に生かし、幸せになるコツが紹介されている。不殺生、不偸盗、不邪淫、不妄語、不飲酒の五戒だけはやってはいけない、布施、愛語、利他、平等の四摂事を実践すれば、あとは唇や鼻にピアスをつけようが自由であるという。