読書」カテゴリーアーカイブ

『“全身漫画”家』

江川達也『“全身漫画”家』(光文社新書 2002)を読む。
『東京大学物語』や『まじかる☆タルるートくん』などの漫画で知られる江川達也氏が、自身の作品に込めたテーマや展開の妙について赤裸々に語る。執筆・構成は他者の手によるものだが、常に読者の予想を裏切り、少年誌でありながら人間の最も根源的な営みであるセックスに向き合おうとする真摯な姿勢が伝わってきた。

『巨人 出口王仁三郎』

出口京太郎『巨人 出口王仁三郎』(講談社文庫 1975)を少しだけ読む。
大本教を大成した出口王仁三郎の生涯を描く。宗教家というよりも、時代の雰囲気に流されない不思議な世界観を持った人物である。
合気道の植芝盛平らとモンゴルを遠征したり、わずか半月ほどで3600首の和歌で覚えるエスペラント語辞典を作ってみたり、解説上田正昭京都大教授が評するように、まさに「巨人」である。

『マウンテンバイク シティ・ライディング』

山本修二構成・文『マウンテンバイク シティ・ライディング』(小学館 1999)を読む。
マウンテンバイク関連ではかなり古い本であり、都心の歩道の走り抜け方やワンボッスカーのドアを軽く叩いて自分の存在を知らせる方法など、現在では首を傾げてしまうような裏技も紹介されている。
紹介されているマウンテンバイクの全てが26インチのVブレーキというのも時代を感じる。
たかが二十年弱前の話なのに、パーツだけでなく乗り方含めて古めかしく感じるほど、マウンテンバイクの進化が早いという証左でもある。

『世界は宗教で動いている』

橋爪大三郎『世界は宗教で動いている』(光文社新書 2013)をパラパラと読む。
慶應丸の内シティキャンパスで行われた「宗教で読み解く世界」の講義(3時間×全6回)を元にしており、「ヨーロッパ文明とキリスト教」や、「プロテスタントとアメリカの行動原理」、「イスラム教と平和」、「ヒンドゥー教とインド文明の関わり」、「中国文明と儒教・仏教」、「日本人と宗教」の6項目で、宗教と現代社会の関わりについて述べられている。
余裕がなかったので、少ししか読めなかったが、興味ふかい内容があった。

まず、中国は儒教的な考え方がベースにあり、祖先を崇拝して、祖先を基点に自分たちを定義するという考え方がある。自分たちが立派なのは祖先が立派だから。その立派な祖先を祀っている自分たちは、よそのグループよりは立派なのだ、という自己意識を持つ。そうやって人々が、父系の血縁集団を作って結束する。日本でも祖先を大事にするという考え方はあるが、せいぜい自分の親や祖父母どまりで、それより上の世代の、自分が知らない祖先に対しては、急に冷淡になってしまう。中国では、むしろ上の世代の祖先のほうがもっと偉い、という考え方があり、祖先がいた証拠(墓や位牌や廟)を手がかりに祖先を崇拝する儀式を行う。
祖先崇拝がベースになっているので、中国人は自分が死んだら子孫から崇拝されると思って安心する考え方がある。逆に言えば、子孫がいなくなったら大変、という強迫観念がある。特に男の子がいないことは重大事となる。こうした背景を知ると、50%の確率で男の子の跡取りができなくなる「一人っ子政策」の大胆さが理解できる。

『異常気象と地震の謎と不安に答える本』

ニュースなるほど塾編『異常気象と地震の謎と不安に答える本』(河出書房新社 2009)を読む。
分かりやすく書かれており、雨や雪の降る仕組みは理解できたのだが、地震や前線の構造の理解はいまいちだった。多数の参考文献を上手くまとめ直しているのだが、もう少しテーマを絞った方が良かったかも。