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『物理のはなし』

ペレリマン『物理のはなし』(東京図書 1987)をパラパラと読む。
著者のペレリマンは1882年にポーランドで生まれ、ロシア・ペテルブルクの大学を卒業した物理学者である。この本は1911年に初版が出版されたもので、身近な題材で物理の全分野(力学、運動、エネルギー、磁気と電気、波動)が丁寧に説明されている。

パラパラと読んだだけだが、平行に航行している2隻の船に引き合う力が働き、片方の船の船首がもう一方の船腹に食い込むように衝突した事故を物理学的に分析した項が面白かった。「水あるいは空気の流れのなかでは、速度が小さければ、圧力は高く、速度が大きければ圧力は小さい」というベルヌーイの法則を当てはめると、両船の間の水の圧力が小さくなり、両船は外側の水の圧力で接近することになる。

このベルヌーイの定理を応用すると、駅のホームにいる客がすぐそばを走る特急列車に引き込まれる事故や、飛行機の翼の周囲に発生する空気の流れなど、さまざまな風や水の中の物体の動きを分析することができる。すごい!

『せかいどこでもずんがずんが旅』

椎名誠『せかいどこでもずんがずんが旅』(角川書店 2010)を読む。
久しぶりに一冊本を最初から最後まで読んだ気がする。東京新聞の夕刊に掲載されていたエッセーで、著者が旅したシベリアの奥地やニューギニアに浮かぶ島など、観光客がほとんど訪れない辺境の様子が紹介されている。

『東京地震地図』

宇佐美龍夫『東京地震伊地図』(新潮社 1983)をパラパラと読む。
著者は東京大学地震研究所に長らく務め、歴史地震学を専門とする。江戸時代の文献から、震源地と震度を科学的に計算し、関東地方を震源とする地震は多発しており、今後とも警戒を緩めることなく、地震災害の心得まで丁寧にまとめられた良書である。
江戸時代の初期からかなり詳細に地震の記録が残されていたという事実に驚いた。一番古い文献は818年の記録であり、マグニチュード7.9で上総・安房を除く関東各地で山崩れが発生し、圧死者が多数出たと記録されている。

『人生の縮図』『自由への扉 DOORS TO FREEDOM』

高橋歩『人生の縮図』(A-Works 2003)、『自由への扉 DOORS TO FREEDOM』(A-Works 2007)をパラパラと眺める。職業・自由人の肩書きの著者が、海外の人物の写真と自分の生き方を探し、貫く心の叫びをポエムに託した、言葉は悪いが独り善がりな作品となっている。

『続・奈良点描』

長田光男『続・奈良点描』(清文堂出版 1985)をパラパラと読む。
奈良の歴史や十津川村の変遷、各地の旧跡、現在まで伝わる祭などが採り上げられている。その中で、吉野と中央構造線の関係ついて論考が興味深かった。吉野というと山の中の交通不便な僻地という印象が強い。しかし、不便な地と見るのは、奈良・大阪・京都などを中心に考えた時であって、この地を地形図で見た場合、ちょうど吉野は中央構造線のど真ん中にある。西は紀の川を経て四国・瀬戸内・九州へと行けるし、東は伊勢を経て東海地方へ容易に繋がるのである。飛鳥時代には大海人皇子、時代は下って源義経や後醍醐天皇など、吉野に入った人の数は多い。

また、奈良が1980年代前半まで奈良は靴下の一大生産地であったそうだ。当時から中国や韓国から安い輸入物が出回っていたが、まだまだ質の悪かったようで、国産には敵わなかったとのこと。このあと急激な円高によって、急激にシェアを落としていくのであるが、現在でも奈良は高級な靴下を生産している。