読書」カテゴリーアーカイブ

『影男』

江戸川乱歩『影男』(ポプラ社 1971)を少しだけ読む。
1955年(昭和30年)1月から12月まで、光文社の『面白倶楽部』に掲載された作品である。空き地の広がる東京の外れの尾久や世田谷などの風景などが紹介さえ、高度経済成長が始まる以前の終戦後の日本の様子が感じられた。話の展開は少し飽きてしまった。

『ヨルダン難民救済への旅』

小山内美江子『ヨルダン難民救済への旅』(岩波ジュニア新書 1991)をざっと読む。
著者はTBSのテレビドラマ『3年B組金八先生』やNHKの大河ドラマ『徳川家康』『翔ぶが如く』の脚本家として知られている。
イラクがクウェートに侵攻した湾岸戦争で混乱した中東で、原油もこれといった産業もないため紛争に巻き込まれず、周辺国から難民が押し寄せたヨルダンの難民キャンプでの数日間のボランティア体験を

『赤い幼虫』

江戸川乱歩『赤い幼虫』(ポプラ社 1970)を半分ほど読む。
1933年から34年にかけて発表された作品の焼き直しである。東京市の場末の三河島が舞台となっていたり、小人症の子どもが見せ物小屋で働いているという設定など、戦前の香りが漂っている作品であった。

『モグラ博士のモグラの話』

川田伸一郎『モグラ博士のモグラの話』(岩波ジュニア新書 2009)をパラパラと読む。
著者自身がモグラといっても、「ふつうはツルハシとかヘルメットとかサングラスとかを身につけた、『工事中』のスタイル」しか思い浮かばないと謙遜するように、身近な動物であるにも関わらず、とんと見たことのない動物である。漫画や挿絵のイラストでは、モグラが地面にぽっかり空いた穴から、半分体を覗かせているように描かれていますが、実際のモグラは穴から顔を出すことはない。もし目にしているとした姿形はモグラにそっくりだが、半地下で暮らすネズミ程度の大きさのヒミズ(日不見)という動物である。

本筋のモグラの話よりも、著者が通っていた弘前大学の北溟寮の話が興味深かった。ちょうど1990年代半ばの出来事で、全国で大学の自治寮が取り壊されようとしていた時期である。著者の川田氏は大学の勉強そっちのけで、自治と安い寮費と、そして独特の楽しい共同生活を守るために、3年間にわたって闘っていたとのこと。そういった「寮」という特殊な経験が、それ以降の研究者としての姿勢を築いたという点が面白かった。

『グローバリゼーション』

伊豫谷登士翁・編『グローバリゼーション:思想読本[8]』(作品社 2002)をパラパラと読む。
Wikipediaで調べてみたところ、編者の伊豫谷氏は東京外国語大学と一橋大学で長らく教鞭をとられ、本書のタイトルにもなっている「グローバリゼーション」に関する研究に従事していた研究者である。経歴を見ると、つい先月の5月28日に逝去されたばかりであった。

ほとんど読んでいないのに読んだふりをすると、要は政治のグローバリゼーションが帝国主義であったり、共産主義であったり、また経済のグローバリゼーションが多国籍企業やWTO、IMFであったり、さらには環境問題やエネルギー問題、イスラム教、移民・難民なども関わってきたりと、現代社会そのものがグローバリゼーション抜きには語ることができなくなっている。そうした現状を語った上で、グローバリゼーションを分析する上でも、批判する上でも、人文・社会・自然といった旧来の枠組みを完全に組み替えるような新たなアプローチが求められると述べている。