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埼玉県労働局の勧告

本日の東京新聞朝刊に、埼玉県労働局が県教育委員会に障害者雇用の適正実施を勧告したとの記事が載っていた。
記事によると、31日、県教育委員会の障害者雇用が、同教育委の採用計画通りに進んでいないとして、適正実施勧告を出したとのことである。障害者雇用促進法は、都道府県などの教育委員会に2%以上の障害者雇用を義務づけているおり、埼玉県教委は来年末までに2%以上にする計画を立てているが、6月1日現在雇用している障害者は361人で、雇用率は1.36%に過ぎない。採用計画の実施率も4%弱にとどまっている。
埼玉県教委自身が「心のバリアフリーと社会で自立できる自身と力をはぐくむノーマライゼーションの理念に基づく教育の推進」を重点目標に掲げている以上、教育現場や県立施設、教育事務所などにおける障害者雇用の拡大は最重要課題である。校長やら県教委の子息のコネ採用よりも優先してほしいことである。
詳細は下記のホームページを参照して下さい。

□ 埼玉県労働局の当該のホームページ□

生活保護基準の切り下げ

本日の東京新聞の朝刊の藤本由香里さんのコラムが関心を引いた。
厚生労働省は2008年度から生活保護費の給付の基本となる基準額(食費・光熱費などの最低生活費)の大幅な引き下げを検討しているそうだ。藤本さんは次のように述べる。

厚労省は「一般所得世帯の消費実態との均衡」を見直しの理由としてあげているが、この裏には「正社員並みに働いても所得水準が生活保護以下の層」いわゆる「ワーキングプア」の存在があるのは間違いない。つまり働いても保護水準以下なのなら、生活保護基準の方を切り下げてしまおう、というわけだ。しかし、これでは本末転倒だろう。なんとかしなければならないのは、「人を安く使い捨てる」ことを奨励してきた制度の方であり、生活保護基準の方ではないはずだ。(中略)弱者を切り捨てることで国は豊かにならない。今、別の再配分が求められている。

まさに正鵠を得た意見である。働いても働いても家族を安心して養うことのできない収入しかないのでは、労働者はストレスで身を滅ぼすであろう。やはり、日本の社会風土においては欧米以上の広範囲なセーフティネットの確立が求められる。また、雇用のあり方にもメスを入れたい。就職氷河期などで一定の年齢を超えた不定期雇用者や障害を抱えた者、育児や介護などでまとまった時間が取りにくい人たちにとって働きやすい環境を整えていくことが急務である。

『テロとの戦い 再考』

本日の東京新聞朝刊に姜尚中・東大教授の『テロとの戦い 再考』と題した小論が掲載されていた。
その中で姜尚中氏は「日本政府は日米同盟から世界をみるという旧来型の思考から抜け出せていない。現在の米国の対テロ戦略が行き詰まっているのは明らか。友人ならば、その場しのぎの対米追従ではなく、米国に異なる選択肢を示していくことが肝心なのでは」と疑問を呈する。
そして、「日米関係は重要であり続ける。でも、いま日本に求められているのは日米のみではなく、それに地域の他国関係を組み合わせられる思考だ。日米の片務的な関係を正す道もそこから見いだせるのではないか」と結論づける。姜尚中氏は話を政治に限って論じているが、米国に弱みを握られつつもおんぶに抱っこという状況は、政治も金融も軍事も全てに共通することだと思った。

『日本の青空』

今日の東京新聞夕刊に、日本国憲法の制作過程を描いた映画『日本の青空』の上映会に対し、主催の住民団体の後援申請を自治体が拒むケースが相次いでいるとの記事が載っていた。『日本の〜』は、現在の日本国憲法がGHQがゼロから起草したものではなく、鈴木安蔵や森戸辰男らの自由民権運動の流れを組む憲法研究会の憲法試案を土台となしたものだという事実を描いた映画だということだ。
地方公共団体は、映画を主催する住民団体の「政治」性を問題としているとのことだが、政治性、宗教性の判断よりも99条の公務員の憲法尊重擁護義務の方が優先されるべきではなかろうか。

「大波小波」

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また、本日の夕刊コラム「大波小波」に『機動戦士ガンダム』などのキャラクターデザインで名を馳せた安彦良和氏の評が載っていた。コラムによると安彦氏は学生時代に反戦運動に加わり大学の除籍処分を受けた経験から、どの作品にも「一所懸命生きた人に敬意を払う姿勢は、いま現に生きている人間の最低のモラル」という信念が作品に通底しているとのことだ。確か高校時代に映画館で観た『ヴィナス戦記』も権力争いの醜い戦争の中で懸命に自分を生きようとする青年の姿が描かれていた。あまり漫画は読まないが民族紛争を扱った作品もあるようなので近々手に取ってみたい。