本日の東京新聞朝刊に、公立の小中高校で日本語指導が必要な子どもが7万人となり、そのうち1割が補修などの指導が受けられていないとの記事が掲載されていた。
小中高校生への日本語の指導は、将来への投資である。その国の言葉を話せる、読める若者が増えることは、その国にとって大きなメリットとなる。ボランティアだけに頼るのではなく、オンライン等も活用しながら、日本語指導を学校の教育の柱としたい。
福田芳生『化石探検:Part.2鳥類からシーラカンスまで』(同文書院,1989)をパラパラと読む。
2分冊のうちの2分冊目で、約2億3000年前から始まる中世代、約6500万年前から始まる新生代の、昆虫や鳥類、恐竜、哺乳類、被子植物、猿人までの化石が紹介されている。一片の化石からその生き物がどのような物を食べ、どのような気候や環境に生きたのかを探るというのは面白い作業なのであろう。しかし、どうしても化石や生物に興味のない自分を発見してしまう。
7000年前に滅びたはずのシーラカンスがアフリカ大陸とマダガスカル島に挟まれたコモロ諸島で発見されたという話は、内田康夫の小説『シーラカンス殺人事件』で知っていたが、強烈な異臭を放つシーラカンスの死骸をタクシーで運ぼうとしたり、解剖したりする努力があったのである。
夏休みの14冊目
藤岡謙二郎『歴史の古い都市群1:東京とその周辺の都市』(大明堂,1984)をパラパラと読む。
地理学の専門書で、分野としては歴史地理学の分野になるのであろう。執筆者も地理学だけでなく、歴史学の専門家も名前を連ねている。主に江戸時代以降の地形や鉄道や運河などの交通網の開発などから、東京、横浜だけでなく、鎌倉、府中、石岡、川越、銚子、関宿・境、水戸、前橋などの都市の発展が論じられている。
昭和の初期までは、水戸や前橋、高崎、行田、佐倉など、江戸時代の頃の城下町や宿場町が発展したが、高度経済成長以後、那珂湊や佐原、木更津、龍ヶ崎、桐生など、高速道路のインター近くやや鉄道の駅が増えてくる。
かつては隅田川で大学のボートレースが行われていたが、1960年代から隅田川の汚染がひどく、大学クルーの漕艇場は次々と戸田へ引っ越して行った。それが復活したのが、1978年の早慶対抗戦からであった。
現在はダウン・タウンというような意味で、「山の手・下町」とが対立的に考えられているが、江戸以来の「山の手」に対する「下町」は、千代田の城の下に広がっていた、誇り高き「城下」の町を指していったものであった。
本日の東京新聞朝刊の社説に、新疆ウイグル自治区での中国政府の弾圧に対する批判が掲載されていた。新疆ウイグル自治区は中国の内陸の奥に位置する砂漠地域にある。漫画「ドラゴンボール」にも登場する牛魔王が暮らす火焔山があることでも知られている。住民は2,500万人ほどで、多くはイスラム教を信仰している。しかし、台湾やチベット自治区、内モンゴル同様、中国共産党以外の「信仰」を認めない習近平体制以後、漢民族による同化政策が激化している。
記事にもあるが、街中の屋台や路地裏まで監視カメラが設置されたり、タクシー内の会話は全て録音されたり、イスラム教徒にとって大切な礼拝所も中国風に改装されたりと、漫画に登場する独裁国家のような状況が広がっている。全くもって酷い話である。
最後に「民族固有の文化や宗教を尊重する政策への転換が急務だ」とまとめられているが、これは中国だけでなく、イスラエルやロシア、ミャンマー、シリアでも鳴らすべき警鐘である。