投稿者「heavysnow」のアーカイブ

『バスで、田舎へ行く』

泉麻人『バスで、田舎へ行く』(JTB,2001)をパラパラと読む。
1924年から2012年まで発行されていた旅行雑誌『旅』に連載されていたコラムがまとめられている。ローカルバス路線を利用して、田舎の珍しい地名や忘れられた観光地を巡る旅日記である。まだテレビ東京の『ローカル路線バス乗り継ぎの旅』が放映される前に刊行されている。

旅行雑誌のコラムなので、細かい電車やバスの路線が明記されている。それでも、田舎に向かうバスは、だんだん人が減っていき、道が細くなっていく。そんな様子を作者は「ドラクエの隠れ道に入りこんでいくときのような感覚」と称する。

「田植え不要のコメ栽培支援」

本日の東京新聞朝刊に、「乾田直播」によるコメ栽培が増えており、農林水産省も補助金による支援に乗り出すとの記事が掲載されていた。乾田直播とは、苗作りを省き、水を張っていない水田に直接種を播く手法のことである。東南アジアで一般的な畑に種を蒔き、畑作として栽培する陸稲とは異なる手法である。

地理用語で捉えると、これまでの日本の水田は土地生産性は高いものの、大規模化できないため労働生産性が低くなっていた。この乾田方式は田植えや苗作りが不要なので大規模化しやすく、トラクターを利用することで労働生産性が上がることが期待される。

記事によると、水を張った田からはメタンガスが発生するという難点があり、メタンは二酸化炭素(CO2)の25倍の温室効果を持つとされ、水田からの排出量は国内の約4割を占めるという。

水田は自然のダムであり、治水の面でもメリットがあり、効率化だけで大規模化することに異論は多々あろう。しかし、農業人口の減少と食料安全保障の観点からも、米の大規模栽培の研究・支援は正しいベクトルに向いていると考える。

『知の冒険』

桐光学園中学校・高等学校『知の冒険:大学授業がやってきた!』(水曜社,2008)をパラパラと読む。
神奈川県川崎市麻生区に位置する桐光学園中学・高校で実施された、土曜講習「大学訪問授業」の講演内容をまとめたものである。歴史学に始まり、地理学、哲学、現代思想、社会学、法学、農学、生物学、電子工学、ロボット工学、人工知能、芸術学など、文系から理系まで幅広い大学の学問の入門講座の紹介となっている。

学校のホームページを確認したところ、この「大学〜」は2025年現在も毎週土曜日、律儀に実際されている。1回だけだったら簡単だが、続けるのは難しい。業者が仲介しているのか、講演料が高いのか、大学サイドの生徒募集に絡めているのか、よく分からないが、学校関係者の努力が伺われる。

おそらく60分から90分くらいの講演内容のあらすじだけをまとめたものなので、読んでいて面白いものではない。講演会はレジュメにない自己紹介や雑談、生徒とのやりとりが面白いのに、そうした内容が一切省かれている。文体もすべて統一されており、講演者の話し口調も全く伝わらない。これだったら、動画で残してくれた方が生徒のためにも良いのでは。

『藤沢周平と江戸を歩く』

高橋敏夫・呉光生『藤沢周平と江戸を歩く』(光文社,2008)を少しだけ眺める。
タイトルにもある藤沢周平氏は、江戸の時代小説を得意とする直木賞作家である。読んだことはないが、藤沢氏の作品は当時の江戸の街並みをモチーフとして作られている。藤沢氏は小説を書く際の下調べにおいて次のように述べている。

江戸時代を書くとき、従って地理も出来る限り調べる。外を歩く商売(業界新聞記者)だから、案外それが出来る。(中略)東京は、むしろ昔の江戸の区画が思ったよりも残っていて、驚くことが多い。

『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』

先ほど、野田のイオンで、トム・クルーズ主演、クリストファー・マッカリー脚本監督『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング(Mission: Impossible – The Final Reckoning)』(2025,米)を観た。
すでに埼玉では上映が終了していたので、久しぶりに千葉県・野田での映画鑑賞となった。先月、金曜ロードショーで同シリーズを初めて鑑賞した「にわか」ファンにとっても、大作を観た満足感を得られた。話の展開は半分ほどしか理解していなかったが、最新鋭のでAIデジタルシステムと紙の手紙や黒電話が混在する独特の世界観にグッとハマってしまった。