投稿者「heavysnow」のアーカイブ

『ネアンデルタール人類のなぞ』

奈良貴史『ネアンデルタール人類のなぞ』(岩波ジュニア新書,2003)を読む。
ネアンデルタール人は、1856年にドイツのデュッセルドルフ郊外のネアンデル渓谷で見つかった人骨の研究が契機となっている。「旧人」として知られ、氷期の3万5000年前に絶滅している。ヨーロッパ全域からカスピ海東部の中央アジアにかけての狭い地域のみに分布しており、アフリカからは化石が発掘されていない。

一般的に500万年前の猿人から100万年前の原人、そして50万年前の旧人から20万年前の新人へと一直線に進化したと教えられるが、実際は旧人類のネアンデルタール人と現生人類のホモ・サピエンスは全くの別種で、併存していたそうだ。骨格の研究から言語を話すことはできなかったようだが、著者は火の使用や埋葬の習慣などはあったと主張している。

『マレー獏は悪夢を見ない』

大泉実成『マレー獏は悪夢を見ない:夢をコントロールする民族・セノイへの旅』(扶桑社,1994)を読む。
文章が分かりやすく、著者と一緒にマレーシアのジャングルの奥地へ旅する感覚を感じることができた。しかし、一体タイトルにもあるセノイ族の元へ何しにいったのか、最後までよく分からなかった。
著者は学生時代に何かしらのイベントで呼んだ記憶がある。しかし、私自身はイベントに参加した記憶もなく、漫画研究会枠だったのか、現代芸術研究会枠だったのか、獏、いや漠として思い出せない。

『予備校教師からの提言』

竹内久顕『予備校教師からの提言:授業・入試改革に向けて』(高文研,2001)を読む。
著者は現在東京女子大学で准教授となられているが、執筆当時は駿台予備校の講師を務めている。1990年代前半の受験競争や予備校バブル、そして、1990年代後半に入って一気に少子化が進み、競争を売りにできなくなった受験業界について、現場感覚を交えて丁寧に説明している。後半は著者の専門である日本史の入試問題を取り上げ、暗記や機械的な解法では解けない良問が紹介されている。

団塊ジュニアど真ん中の私は、受験戦争という中で青春期を送ったが、すでに2000年の頃には良くも悪くも競争のない、暗記やテクニックに頼らない論理的な思考を試す授業が提言されているのだ。重ね重ね意識しておきたい。

『手にとるように環境問題がわかる本』

三菱UFJリサーチ&コンサルティング 環境・エネルギー部『手にとるように環境問題がわかる本』(かんき出版,2007)をパラパラと読む。
見開きページで片側が文章、もう一方が表やグラフ、イラストといった体裁の本である。写真や取材は一切なく、あちこちの参考文献を分かりやすくまとめ直したもので、読んでいて全く面白くない。

各項の最後は「私たち一人ひとりも、いろいろな環境情報に関心を持ち、自分の意見を発信していくことが大切です」とか「おいしくて安全な水を守るためにも、排水溝へ化学物質や食べ残しを流さないことが大切です」「消費者である私たちは、環境を守るために、企業が生み出す環境配慮製品を選んで購入する努力が必要です」などの文で締め括られ、小論文の雛形のような文章をひたすら読み続けさせられる。

『千石先生の動物ウォッチング』

千石正一『千石先生の動物ウォッチング:ガラパゴスとマダガスカル』(岩波ジュニア新書,2003)をパラパラと読む。
固有種が極めて多い南米エクアドル沖のガラパゴス諸島とアフリカのモザンビークの沖合にあるマダガスカルの動植物観察記である。違いはガラパゴス諸島は火山島であり、一度も大陸と接することがなかった。そのため、全く生物がいない島に、鳥や昆虫がグングンと勢いを伸ばしたのである。また鳥の糞や身体に付着した種や微生物も同様である。しかし、塩分の多い海を越えられない哺乳類や両生類はほとんど生息していない。一方で、マダガスカル島は、かつてインド大陸の一部であった大陸島である。そのため両生類の宝庫となっている。