花村萬月『わたしの鎖骨』(文春文庫 2000)を読む。
著者のデビュー当初の1990年から93年当時の短編集である。バイクやギター、格闘技対決など男性が好きそうな夕刊紙の連載小説のような題材の作品が多い。そして途中に、不自然な形で性交シーンや愛欲シーンが交えられている。反戦や人間性などのメッセージが込められ純文学的な彩りで飾られるピンク映画のような趣である。
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横浜アンパンマンこどもミュージアム
『ワセダ三畳青春記』
高野秀行『ワセダ三畳青春記』(集英社文庫 2003)を読む。
早稲田大学探検部に所属していた著者が、早大付近の家賃1万2千円のアパートで11年間もの間(寝)過ごしたどたばた顛末記である。確かに十数年前まで残っていた怪しい早稲田界隈の雰囲気がどんよりと滲み出ていた。
私自身早稲田南町にあった家賃2万5千円の四畳半のおんぼろアパートに住んでいたので、大学のサークルボックス化してしまうアパートの様相や、行動が不可思議なアパート住民、極端に食費にしわ寄せがいく貧乏暮らしなど、自分の学生時代になぞらえながら懐かしく読んだ。
レイクタウン
『クラッシュ:絶望を希望に変える瞬間』
太田哲也『クラッシュ:絶望を希望に変える瞬間』(幻冬舎文庫 2003)を読む。
あと72時間の命と医師から宣告されたレーシングドライバーが、10数度に及ぶ手術を経て絶望からレース復帰までの心の葛藤を丁寧に綴るノンフィクションである。著者の太田氏は、1998年5月3日に富士スピードウェイで行われた雨の全日本GT選手権でスタート直後の多重事故に巻き込まれ、運転していたフェラーリが爆発炎上し、皮膚の表面積の半分近くが失われるほどの大火傷を負った。そして自殺を企図したり、自暴自棄になったりしながらも、家族の支えと、医者や看護師への感謝、そしてレースへの執念でもって再びハンドルを握るまでの気持ちの変化を自分の言葉で語る。
文章も読みやすく一気に読み終えてしまった。




















