『深呼吸の必要』

テレビで放映された、篠原哲雄監督『深呼吸の必要』(2004 日)を観た。
宮古島を舞台にした、サトウキビ刈りの泊まり込みアルバイトに申し込んだ若者のたちの青春映画である。若者といっても20代~30代であり、皆日常の真っ当な生活から逃げてきた脛に傷を持つ者たちである。そうした若者たちがサトウキビ刈りというひとつの目的に向かいながら助け合いながら、やがて自分に自信を取り戻していく。
高校生を主人公にした類似の映画はたくさんあるが、無理に感動の場面を作ったり音楽で盛り上げたり演出が喧しい。それに比べ、この作品は淡々としているが、その分だけ小説を読むような雰囲気で自分自身と対話しながら観ることができる。印象に残る作品であった。こういう作品こそ映画館で観たかった。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください