最近、公私共々多忙を極め、一冊の本も開くことなくひと月を過ごしてしまった。
また、近所の映画館も震災の影響でずっと営業中止であったため、一度もスクリーンで映画を観ることがなかった。文化的な貧困は精神的な貧困につながる。そして精神的な貧困は狭窄な人間を生み出す。

他人に対して、社会に対して常に余裕をもって接することができるよう、いかなる状況でも文化的な環境は大事にしていきたい。中野重治が獄中でも芸術に触れ、歴史について学ぶことで耐え抜いたように、そうした文化を大切にしていこうとする心が、戦火でも負けない強い気持ちの下支えとなる。