浅田次郎『見知らぬ妻へ』(光文社 1998)を読む。
今年最後の読書は良質な短編集となった。表題作の他7編が収められている。ちょうど作者浅田氏が執筆当時40代後半であり、どの作品も「人生の折り返し地点」に立った40代半ばの中年男性が主人公となっている。社会や家族に流されてしまった現在と、まだ可能性のあった20代の過去の風景が絶妙に入り交じる。短編であるにも関わらず作品にぐっとはまり込んでしまうのは流石である。
今年最後の読書となったが、印象深い作品に出会うことができた。
『見知らぬ妻へ』
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