『自衛隊は何をしてきたのか』

前田哲男『自衛隊は何をしてきたのか:わが国軍の40年』(筑摩ライブラリー1990)を読む。
自衛隊というのが現在的にもまた歴史的にも曖昧な位置付けのもとに作られてきた経緯が分かった。よく言われるが右からも左からも批判の対象とされてきたのが自衛隊である。しかし1950年当時の警察予備隊発足の頃はまだ一定憲法のもとに位置付けようとしていた。それは隊員宣誓書の変遷を見ればよく分かる。憲法の「忠実な擁護」という肝心要が抜けてしまっている。しかし現在でも憲法を遵守とうたっている以上、宣誓に対する背信行為をいつまで続けるのだろうか。

1950年警察予備隊宣誓書
私は、我が国の平和と秩序を維持し、公共の福祉の保証に任ずる警察予備隊の職員に任命せられることを光栄とし、次のことを静粛に誓います。

  1. 私は、日本国憲法及び法律を忠実に擁護し、命令を遵守いたします。
  2. 私は、信義を重んじ、誠実を尊び、勇気をもって職務の遂行にあたります。
  3. 私は、上司の職務上の命令には忠実に服従いたします。
  4. 私は、その綱領が私の職務に優先してそれに従うべきことを要求する団体又は組織に加入いたしません。

1954年自衛隊宣誓書
私は、わが国の平和と独立を守る自衛隊の使命を自覚し、日本国憲法及び法令を遵守し、 一致団結、厳正な規律を保持し、常に特操を養い、人格を尊重し、心身をきたえ、 技能をみがき、政治的活動に関与せず、強い責任感を持って、専心職務の遂行にあたり、 事に臨んでは危険を顧みず、身をもって責務の完遂に務め、もって国民の負託にこたえることを誓います。

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