真保裕一『ホワイトアウト』(新潮文庫 1998)を読む。
少し時間的に余裕があるのでサスペンス小説をと思い手に取ってみた。文庫でも628ページもある長編で、最後のページを繰るまでまるまる2日間かかってしまった。織田裕二主演の映画として有名な作品であるが、原作も場面の切り替えがうまくテンポをつくっており一気に読んでしまった。奥只見ダムを舞台にしており、地図を片手にダムの位置など確認しながら読んでいった。昨夏、奥只見の下流に位置する田子倉ダムにバイクで出掛けたので、夏の山の光景は容易に頭に思い描けるのだが、冬山の積雪や吹雪は想像すらすることが出来ない。しかし真保氏のこの作品における描写は微に入り細に穿っており、雪山の様子がリアルに読者に伝わってきた。直木賞の声も高いようだが、受賞はそう遠いことではないだろう。
『ホワイトアウト』
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