『ハーバードで語られる世界戦略』

田中宇・大門小百合『ハーバードで語られる世界戦略』(光文社新書 2001)を読む。
田中氏と大門さん夫妻がジャーナリストのための研修プログラムでのハーバード大学に留学した10か月間の経験をまとめたものだ。ハーバード大を舞台にしたアメリカ政治の幕裏の様子が一学生の視点でもって丁寧に描かれていた。ジャパンタイムスの記者である大門さんに田中氏が随行したという形だ。田中氏の感想は以下のホームページにまとめられている。

田中宇の国際ニュース解説:「知のディズニーランド、ハーバード大学」

ケネディの出身校として有名な大学であり、名前はよく耳にするがこれまで気に留めてもいなかった。しかし実態が明らかになるにつれて、日本の大学の範疇には括ることのできない、完全な産学共同、官学共同の研究所という側面が見えてきた。とくに政治を専門とするケネディ研究所では、大統領のスピーチ内容やら、選挙活動マニュアルから世界戦略までを教授、学生ともに学んでいる。ちょうど日本でいうところの早慶の大学院と松下政経塾とシンクタンクと各種審議会を合わせたようなところだ。一枚岩のように見えるアメリカ政治も、ハーバード人脈の強い民主党とプリンストン人脈の共和党で色分けして、学閥の視点から見ていくととまた違った見方ができるのではないだろうか。

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