『アメリカひじき・火垂るの墓』

野坂昭如『アメリカひじき・火垂るの墓』(新潮文庫 1972)を2か月前から読み始め、しばらくほっぽいておいたのだがやっと読み終えた。
1930年生まれの作者の直接体験がもとになっており、戦争末期の社会の混乱をいつも空腹に喘いでいる少年の目を通して描いた作品だ。『火垂るの墓』はアニメ映画にもなり、少々きれい過ぎると感じていたが、『アメリカひじき』は戦争における人間のいやらしさが描かれていて面白かった。敗戦直後のGHQに対する卑屈な思いが、大人になってアメリカ人に対する過度な奉仕精神となって現れる主人公の姿がそのまま日本の姿と重なっている。

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