『国益の立場から』

渡部昇一『国益の立場から』(徳間書店 1996)を読む。
「従軍慰安婦」記述の虚飾や、占領軍による「東京裁判」史観の強制、日韓併合は世界の合意など小学生もびっくりの意見を展開し、朝日新聞や当時の社会党には「コリア」や「シナ」の工作員が紛れ込んでおり、日本の世論や政策を本国に都合のいいように誘導していると、革マル系全学連顔負けの謀略論を展開する。当時の住専に対する官僚批判や中国の帝国主義的な軍事再編などに対する非難には一顧の余地もあるが、肝心の「国益」なるものの正体は見えてこなかった。

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