『ドラえもん学』

横山泰行『ドラえもん学』(PHP新書 2005)を読む。
先日、娘と一緒にドラえもんの映画を観てから、20数年ぶりにドラえもんが気になり始め、手に取ってみた。
著者の横山氏は富山大学教育学部の教授を務めており、裏話やマニア的な視点で論じるのではなく、一応「学問」としてドラえもんを論じている。

第1章「ドラえもんの来た道」では、1969年の「ドラえもん」の誕生から、小学館の学年誌の連載、アニメの放映、そして作者が体調を崩した1986年以降の執筆までがし詳細に論じられている。特に1970年から1986年半ばまで(「小学5・6年生」は1973年半ばから)、十数年にわたり「小学1年生」から「小学6年生」の全学年誌に毎月異なる作品を発表していたことは初めて知る事実であった。藤子・F・不二雄氏は短編長編合わせて1345話もの作品を手がけている。
第2章「『マンガ世紀』のドラエもん」では、日本の経済成長、海外進出と漫画文化の相関性や、海外での「ドラえもん」受容のされ方について論じられている。
第3章「あらすじで読むドラえもん」では、ドラえもんを象徴するようなのび太の結婚やジャイアンのリサイタルショー、スネ夫の性格やしずかちゃんの心根について描かれた作品が、タイトル通りあらすじで紹介されている。

私自身が30年前に読んだマンガの記憶がよみがえってきて、少しうるっときたところもあった。そういえば、私はドラえもんのマンガを全巻揃え、秘密道具大事典の細かいエピソードまで記憶するような少年だったのだ。

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