『やる気をうむ脳科学』

 大木幸介『やる気をうむ脳科学:神経配線で解く「意欲」の秘密』(講談社ブルーバックス 1993)をぱらぱら読む。
 「やる気」なるものは、創造や思考を司る前頭連合野の中でのみ作られるのではなく、体調を管理する視床下部や情動をコントロールする扁桃核、記憶を司る海馬などと密接にニューロンが絡み合った、直径わずか二ミリという小粒の「側坐核」なるところで作られるそうだ。単に気合いだけでは「やる気」は生まれず、挑戦することに対し心地よいと感じることが必要で、また体調や、自分自身の記憶など多くの要素が関わってくる。そうした心身の多くの情報が「側坐核」で具現的な意欲となって現れるそうだ。結果としては目新しいところのない平凡な話なのだが、それを脳の神経配線とシナプスやホルモンの動きから解明した労作である。

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