『仲間の中で育ち合う』

 越野和之・全障研八日市養護学校サークル編著『仲間の中で育ち合う』(クリエイツかもがわ 2004)を読む。
 児童福祉施設とも役割の重なることも多い養護学校の寄宿舎における教育の意義を改めて問い直す。しかし、寄宿舎教育にこだわることも大切だが、地域と密着した児童施設やグループホームとの連携を優先すべきではないだろうか。養護学校は普通科と異なり、読み進めながら、そもそも福祉分野を管轄する厚生労働省と教育分野を管轄する文部科学省のくだらないなわばり争いが現場に持ち込まれ、養護学校と児童福祉施設や授産施設などの障害者福祉施設との関わりそのものがすっぽりと抜けてしまっている感がある。

 寄宿舎には、子どもの成長・発達に必要とされる「三つの間―仲間・時間・空間』があります。生活教育は、子どもたち一人ひとりの課題に応じて、この「三つの間」を教育的に組織することから始まります。
 (子どもたちに対しては)自分への肯定感や信頼感を取り戻すことが学校教育の中での大切な課題となります。自己肯定感や自己信頼感を育てるためには、安心してありのままの自分を出せる環境作り(「場」の保証)とそのありのままの自分を受け止めてもらえる(否定されない)仲間づくりが必要です。

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