『これが初任者研修の実態だ!』

藤井誠二『これが初任者研修の実態だ!:「ものいわぬ教師」づくりへの道』(あゆみ出版 1988)を読む。
臨教審答申が出された頃の教育状況を追ったもので、文科省による「管理教育」「管理職を中心とした学校運営」「受験競争の激化」「日の丸・君が代強制」といった右派的改革と、日教組や全教などが打ち出す「生徒主体の教育」「現場からの積み上げによる学校運営」「創造的な人格の完成を目指す教育」「平和教育の推進」などの戦後民主主義的スローガンの、はっきりした対立軸に沿って初任者研修を説明している。日教組・社会党の路線変更などあり、右も左も分からなくなってしまった現在から見ると、その二項対立の単純さに懐かしさすら感じる。
インタビューに応じた教員の話であるが、過去の生徒観から抜けきれず、型にはまった授業しか出来ない中年教員こそ研修が必要だという指摘は今もって変わらない。

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