『大出産。』

清水ちなみ『大出産。』(扶桑社 1996)を読む。
第一子出産時23歳〜33歳の30人近い女性による出産体験記である。出産にまつわる感動話ではなく、まさに子どもを子宮から産道を通して外界へ排出するまでの産む行為そのものの体験話である。陣痛や帝王切開の痛さだけでなく、病院や夫、姑に対する赤裸々な愚痴が小気味よくぶちかまされている。自分以外の全てに対する怒りやこらえきれない痛みの結果、新しい生命は生まれてくるのだと考えると考えさせる本である。

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