『チーズはどこへ消えた?』

スペンサー・ジョンソン『チーズはどこへ消えた?』(扶桑社 2000)を読む。
派手な宣伝文句の割には、大した内容ではなかったというのが正直な印象である。著者は、小人とネズミの寓話を通じて、古い企業や組織、環境にどっぷりと浸かってしまうと、変化の兆しを見逃し、自分自身のスタイルを変えていくことが臆病になってしまう。そこで、変化の著しい現在においては、変化に素早く適応し、変化することそのものを楽しむことが大切だと説く。自分も周囲も変わらないことで貯めこんでしまうストレスよりも、変化していくことの不安の方がきっと楽しいし、報いもあると述べるのである。確かに自分の現在の環境を鑑み、「そうだな」と首肯する点も多々あるが、そうした一面的に物事のベクトルが定められないことの方が多いのではないか。著者は巻末で「物事を簡潔に捉え、問題を複雑にしすぎないこと」と付け加えているが。

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