『陰陽師:鳳凰ノ巻』

夢枕獏『陰陽師:鳳凰ノ巻』(文春文庫 2002)を読む。
この『陰陽師』シリーズは、「ものさびし」「ものおそろし」「ものかなし」といった平安時代の生活や文化に潜む「もの(何となく)」めいた人間感情が陰陽師によって「呪」や「鬼神」といった形となって現れてくるところに魅力があった。しかし、今回の同シリーズ第4巻は、スケールの大きい妖術対決やらどろどろしたオカルトめいた話が多く、平安朝の微妙な恐怖感や不安感が醸し出されておらず魅力も半減である。

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