石山茂利夫『国語辞書事件簿』(草思社 2004)を読む。
大槻文彦氏の手による「大言海」や松井簡治氏の『日本国語大辞典』などの戦前の辞書から「新明解国語辞典」や「大辞泉」といった戦後の辞書までの編集や発行の裏話が続く。後半は「広辞苑」の編者として有名な新村出氏の人柄に迫る。「広辞苑」の前身である同氏編纂の「辞苑」が先に刊行されていた辞書の全くの切り張りに過ぎず、しかも新村氏は名義を貸していただけだと辛辣に批判を加える。興味深い内容ではあったが、集中しにくい文章には辟易した。
『国語辞書事件簿』
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