パンフレット研究:二松学舎大学

二松学舎大学のパンフレットを読む。
1877年、明治10年10月10日に創立の漢学塾、二松学舎を起源とする歴史ある大学である。創立者の三島中洲は「西洋文化の摂取に汲汲としていた時代、時節を憂い、東洋文化を学ぶことこそ我が国本来の姿を知り得ると主張し、東洋学の確立と新時代の担う国家有為の人材の育成を目指した」とのこと。夏目漱石や中江兆民、犬養毅、嘉納治五郎、平塚雷鳥といった蒼々たる面々が学んだことでも知られる、日本の漢学研究の拠点である。
しかし、現在の高校生に二松学舎大学の名前を出してもいまいちぴんと来ないようだ。高校の現場で漢文が嫌われ、漢文に興味を持つ高校生が少ないのも原因の一つだろう。また大学経営も決してうまくいっていない。1982年に千葉県の柏駅からスクールバスで20分の辺鄙なキャンパスに移転し、さらに91年に国際政治経済学部を開設したことが、都心で漢学という大学のアイデンティティを減じたのであろうか。
来年度より4年間千代田キャンパスで学ぶ環境ができるようだが、名門の復活を期待したい。

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