『30代未婚男』

新学期が始まって日曜日の昨日まで忙殺の日々であったが、今日は一日代休だったので、子どものお迎えや散髪、近所のコジマ電気での買い物など、30後半のぐうたらおやじの休みを満喫した。

大久保幸夫・畑谷圭子・大宮冬洋『30代未婚男』(NHK出版 2006)を読む。
少子化の原因の約3割は結婚カップルの少産化で、約7割が晩婚化で説明できるとし、特に30代男性の結婚観や恋愛観に迫る。
特に30代男性の未婚の問題は、その個人の主観の問題ではなく、これまでの教育や雇用、労働環境と密接に結びついた、れっきとした社会問題であることが分かる。著者は最後に次の一節を加えている。

個人の中の危うい変化が一方にあり、また社会構造のゆがみが一方にあって、そこから未婚・晩婚問題も生まれるし、フリーター・ニートも生まれる。この2つはさまざまな点で共通点がある。低所得・格差や過重労働は、労働そのものの問題だが、結婚にも影響を与えている。(女性との)コミュニケーション力や(結婚に踏み切る)決断力の問題は、就職の意志決定や仕事上の成功も左右している。パラサイトはフリーター、ニートでその比率が高い。成功モデルとしてのロールモデルが不在であることは、キャリア上でも同じことがいえる。ミスマッチは量から質へと価値転換が起こる中で必然的に起こる現象であり、結婚市場でも労働市場でも起こっている。
(中略)30代未婚男問題はきわめて個人的な問題だが、その背景理由には、人間を幸福にしない何か大きな要素が存在していて、その要素は結婚問題に限らず、その他の社会問題を引き起こすかもしれない大きな危険を孕んでいる。そしてこのままいくといつの間にか問題解決が困難になって、自分が不幸になるかもしれないということに個人は気づかない。しかし気がついたときには手遅れで、大きなハンディを背負うことになる。

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