パンフレット研究:和洋女子大学

和洋女子大学のパンフレットを読む。
1897年に東京九段に創設された和洋裁縫女学院を前身として、1928年に和洋女子専門学校となり、46年に現在地の千葉県市川市国府台に移転し、49年に新制の大学として発足した伝統を誇る大学である。大学名の「和洋」は、「和魂洋才」「明朗和順」の教育理念を掲げ、和裁と洋裁の両方を学ぶ当時では先進的であった前身の学校名に由来する。

現在は「学群・学類制」が導入され、英語・英文学類と日本文学・文化学類、心理・社会学類からなる人文学群と、服飾造形学類と健康栄養学類、生活環境学類からなる家政学群の二つの学群で構成されている。日本文学・文化学類の中にマンガを主な研究対象とする文化芸術コースや書道コースが設置されていたり、心理・社会学類の中に、充実した科目構成をとる国際社会システム専修が置かれていたり、生活環境学類の中に社会福祉コースを設置するなど、開講科目をじっと見ていくと、充実したカリキュラムをとっていることに気づく。就職や資格、海外研修やインターンシップなどの特別プログラムは一通り置かれているが、あまり前面に打ち出されてはいない。

一見選択肢が多いように見えて、結局は資格取得が第一のうすっぺらい教育システムをとる郊外型の通り一遍の女子大に比べ、伝統の重みを感じるといったら誉めすぎであろうか。

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