『徒然草』

ビギナーズ・クラシックス『徒然草』(角川文庫 2002)を読む。
鎌倉初期の鴨長明の著した『方丈記』は、人間の悲喜交々生きざまを大局的に見る「無常観」の大テーマに沿って最後まで一貫して論が展開される。そのため、真面目すぎて「あそび」が無いように感じる作品となっている。一方、『徒然草』の方は、サラリーマン向けの教養書といった趣で、今で言う「日刊ゲンダイ」のように、中年男性が直面するようなマナーや女性問題、仕事上の心構えなどが説かれる。
『徒然草』など学生時代に読んだときは、うんともすんとも面白いと思わなかったが、40近くなってきて読むと、心に響くような警句が多かった。

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