鷲谷いづみ『自然再生:持続可能な生態系のために』(中公新書,2004)をちょこっとだけ読む。
「SDGs(持続可能な開発目標)」という言葉が登場する10年以上前の本だが、気候変動や生物多様性、森林破壊、人類との共存、健全な農業・食卓、里山の可能性、英国での田園風景再生の取り組みなど、目新しい話題を平易な文章で説明されている。
さらに、人間によって意識的・無意識的に持ちこまれる外来種は、在来魚を脅かすオオクチバス、アマミノクロウサギやヤンバルクイナなどの絶滅の危険を高めているマングースなどの例からもわかるように、最近では非常に大きな脅威となって、在来の生物が絶滅の危機にさらされる主要な原因のひとつとなっている。人為的な環境改変を受けた土地は外来種が生活するのに適しており、外来種は世界的にも猛威を振るう傾向を強めている。日本では北アメリカからもたらされたオオブタクサやセイタカアワダチソウなどが在来の植物に大きな影響を与えているが、日本の植物も、たとえばクズは北アメリカで、イタドリは英国で厄介な害草となっている。日本のワカメはオーストラリアの海域に広がり、もっとも厄介な外来種のひとつとして認識されている。
