『国宝』

イオンシネマ春日部で、李相日監督、吉沢亮・横浜流星主演『国宝』(2025,東宝)を観た。
3時間近い上映時間であったが、本来なら8時間分くらいのドラマを3時間に凝縮したような展開となっており飽きることが全くなかった。話の文脈や時間の流れの省略も多いので、文学作品を味わう大人の映画となっている。

この一見地味な映画が150億円近い興収を叩き出しているのは、中高年層が映画館で鑑賞しているからだ。映画が終わった後、改めて観客の方々の年齢層の高さに驚いた。若者がスマホの動画で済まそうという傾向が強い中で、中高年層は一時期のような熱の入ったテレビドラマが少なくなってきたので、映画館に回帰しているのであろうか。昨年の『侍タイ』も同じベクトルにある。