『一ふさのぶどう』

有島武郎『一ふさのぶどう』(ポプラ社文庫 1981)を読む。
有島妻や父を亡くした40代以降に、「赤い鳥」に発表された童話が数編収められている。

彼は、晩年(といっても45歳で自殺したので、40代前半であるが…)「赤い鳥」に友情や信頼といったテーマの童話を発表する一方、同時期に『小作人への告別』などの農地解放、自身の特権的な階級への危惧を扱った硬派な作品を発表している。
彼の自殺の遠因に、そうした分裂的な作家生活が影響しているのでは?

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