『ナウなヤング』

水玉螢之丞・杉本伶一『ナウなヤング』(岩波ジュニア新書,1989)をパラパラと眺める。
1989年刊行で、当時20代後半から30代の著者たちの世代には理解できない、当時20歳前後の大学生や社会人、フリーターの消費行動を取り上げられている。背景には恋愛や就職、生活スタイルすらも消費主義的に捉えられていく消費社会への考察が垣間見える。

それにしても、1973年生まれの団塊ジュニア世代ど真ん中の私たちの世代にとっては、近い将来手に入ると期待しながら、一度も手にできなかった経済的な余裕の香りがしてムカついてしまう。バブル経済の狂奔、月9の恋愛物語、わたせせいぞうの風景、ホイチョイ・プロダクションの映画、その全てが世代間格差を象徴するものとして遠ざけてきたものである。

現在60代前半世代を彷彿とさせるようなものから逃げてきたのであろうか。