『スピティの谷へ』

謝孝浩『スピティの谷へ』(新潮社,2001)をパラパラと読む。
スピティの風景や人々の写真とともに、スピティのある家族の生活が詳細に綴られる。
スピティとはインドの最北部に位置し、標高3200mから4200mに点在する村である。パキスタンとの領有争いで有名なカシミール地方とチベットに挟まれた山間の小さな村である。カシミール地方やラダック地方というと、ヒンドゥー教文化とイスラム文化が混在している地域という勝手な印象があったが、スピティ地方はチベット文化圏にある。チベットから逃れてくる人々もいたり、ネパールの文化も入ってきたり、文化や言語、宗教が混在しつつ共存している地域であるということが理解できた。