『完全図解 気象百科』

櫃間道夫『完全図解 気象百科』(オーム社,2004)をパラパラと読む。
著者は気象庁の観測部長をなどを歴任して退職後、東京電力で気象予報の勤務されていた。
本書は東京電力時代の講座がまとめられており、送電線の着雪や鉄塔倒壊に至る風の強さなど、電力会社向けの内容なども含まれている。

低気圧の雨は、上空では、夏でも雪です。地上に届くまでに融けるかどうかは、大気下層(地上〜約2km)の気温に依存します。

ジェット気流と呼ばれ、冬には航空機の巡航高度(約1万m)で秒速100mくらいにもなります。冬の香港→成田は、成田→香港の所要時間の4分の3になってしまいます。

沖縄の島々の夏は、気温はハワイよりも1〜2℃高く、さらに湿度が15ポイントも高いのです。この湿度の差は大差です。
緯度ではハワイよりも5°(距離にして500km)北にある沖縄が蒸し暑いのは、やはり暖流黒潮の影響です。ハワイはむしろ、寒流カリフォルニア海流がようやく暖流に変わり始めるあたりに位置しています。
黒潮の影響は沖縄に留まらず、(中略)梅雨明け後の東京は、気温がホノルルより0.5℃低いだけで、湿度は10ポイントも高く、まさに熱帯です。